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今月の注目重賞Vol.06

船橋記念(SⅢ)レポート!

《船橋記念とは?》
今では船橋の年始開催の短距離重賞として定着していますが、第1回から第49回までは1800mで実施されていました(第28回のみ馬場改修の為、2000mで実施)。第50回(2006年)から距離が1000mに変更されてからは人馬ともにリピーターの活躍が際立っています。
特に川島親子の活躍は見事というほかありません。
父である故・川島正行調教師はナイキマドリードの3連覇(第56回~第58回)を始め、距離変更前も含めれば計7度も制覇(騎手時代には1983年ミヤオーシヨウに騎乗して勝利)。息子の川島正太郎騎手はナイキマドリードと共に船橋記念4連覇(第56回~第59回)という偉業を達成。同時に兄である川島正一調教師は2014年9月に逝去した父の厩舎から引き継いだナイキマドリードで船橋記念初制覇。第64、65回では管理するキャンドルグラスで連覇を成し遂げています。


第64、65回優勝キャンドルグラス

キャンドルグラスは2014年5月に北海道千歳市の社台ファームで生まれました。父に2003年のJBCスプリントを制したサウスヴィグラス、母は兄に2002年のNHKマイルカップ勝ち馬テレグノシスがいるブローザキャンドル。
道営所属として6戦2勝の成績を残し、船橋・川島正一厩舎へ移籍。転入緒戦となった全日本2歳優駿で9着となった後は休養に入り、3歳春はクラシック路線へと進みました。羽田盃では3着に好走。
ただ、早くから「短いところが合っているんじゃないかと思っていた」と語る川島調教師。「相手が弱いうちはマイルでも勝てる。でも、オープンになると適性距離が定まってくるし、なかなか(どの距離にも)オールマイティーに走れる馬は少ないからね。であれば、その距離の競馬を覚えさせた方がいい」(川島調教師)という考えから、3歳秋からスプリント路線へ。重賞ではなかなか勝ち切れないものの、2度の2着と、重賞制覇は時間の問題となっていました。
そして、6歳の初戦として挑んだのが地元の船橋記念。初の1000m戦出走となった前走の船橋記念トライアル、カムイユカラスプリントでは好位から運び、直線は最内を伸び切って勝利。本番も先行争いを尻目に好位を追走し、終いは外からグイグイと伸びて逃げ粘るノブワイルドを半馬身捉えて、念願の重賞初制覇を飾りました。翌年も抜け出したアドバイザーを鋭い伸び脚で差し切り、人気に応えて連覇を達成。
担当していた松崎正志厩務員に仕上げ方について伺うと「気合が少し足らないかなと思った時は併せ馬にしていたけど、基本的に追い切りはほぼすべて単走にしていた。併せ馬をすると動き過ぎてしまうからね」。キャンドルグラスの能力が高いからこその仕上げ方とも言えるでしょう。
その後も中央馬相手のダートグレード競走でも上位に食い込むなど南関東のトップスプリンターとして活躍を続けましたが、昨年のアフター5スター賞に向けた調教中の故障で引退となり、川島調教師は「怪我は付きものだけどね。(治療のために)北海道に持っていったのだが……」。功労馬として生まれ故郷である社台ファームで乗馬になることが決まっているとのことです。


《11連勝中のキモンルビーと船橋記念4勝目を狙う川島厩舎》
厩舎の先輩であるキャンドルグラスと同様に船橋記念トライアル、カムイユカラスプリントを勝ち、船橋記念で重賞初制覇を狙うのがキモンルビー。

父は2014年の高松宮記念を制したコパノリチャード、母は2013年のJBCレディスクラシックで3着に好走したキモンレッドという良血馬。
中央時代は門別での交流戦で2着に好走したことはあったものの、未勝利で終わりました。高知へ移籍すると5戦4勝の好成績を残し、船橋・川島厩舎へ。初の1000m戦起用となった前走もしっかりと対応して逃げ切り勝ちを収め、高知在籍時からの連勝記録を11に伸ばしました。
「馬自体が素直。余計なことをしない」と川島調教師。
担当の小倉勝利厩務員も「レースを経験するごとに真面目になってきたね。調整の段階で手こずらせるところもないよ」とメンタル面を評価。また、「こちらに来た当初より体つきが良くなっている。あと、前走もそうだったけど、並んだら抜かせない勝負根性は結構あると思う」とも語ってくれました。「(ナイキマドリードやキャンドルグラスといった)歴代の先輩方に追いつけるように頑張りたい」と小倉厩務員。
キモンルビーの12連勝、そして川島厩舎の船橋記念4勝目なるか、注目です!


《信頼と実績の川島厩舎》
昨年は先述のキャンドルグラス(船橋記念)やフレッチャビアンカ(東京記念)で重賞を制し、近年の船橋のリーディングトレーナー部門を見ても常に上位と安定した成績を残す川島厩舎。
厩舎のモットーについては「一番は『馬を大事にすること』。1頭ずつの出走回数が多くないけど、その考えから来ているんだよね。うちは『信頼と実績の川島厩舎』とも言えるかな。それも馬主さんたちがいい馬を入れてくれているからだけどね」と川島調教師。

厩舎には新人の木間塚龍馬騎手が所属しており、昨年末にはヤングジョッキーズシリーズのファイナルラウンドにも進出。
スポーツ報知「川島正一のしゃべり馬っせ」でも木間塚騎手について取り上げられています。その中でデビュー戦後に50点、キモンルビーとのコンビで初勝利を挙げた際には60点という採点でした。

川島調教師に改めて現時点の木間塚騎手を採点してもらうと「今は80点くらいじゃないかな。まだ自分でペースが作れないし、腕力的に追い切れていない。トレーニングをするようには言っているけどね」と厳しい言葉が続きましたが、点数はしっかりとUP。
中央の舞台も経験した厩舎期待の若武者の更なる活躍を期待したいところです!